新卒で入ったブラック会社が辛すぎた話【手取り月収14万円・ヤメハラ・パワハラ・セクハラ】
2019/09/24
目次
会社から逃げたくなったら逃げてもいいの?
4月1日の新年後から1週間が過ぎましたが、社会人のみなさんはどうお過ごしでしょうか。
この時期はリアルでもSNSでも、先輩社会人からの「新入社員はこうしなさい」という(たいへん余計なお世話な)お言葉が飛び交っています。
たとえばこんな話。
DeNA南場さんの新社会人に向けた言葉。
要点は3つ。
①評価に怯えるより、まず仕事に没頭しろ
②機会と環境に恵まれるようにしろ
③ミスして進歩しろ。けど、ヤバいミスは避けろ。「まずは仕事に没頭を」ディー・エヌ・エー南場智子会長:日本経済新聞 https://t.co/QkTj9v0ZcL
— 竹本 祐也🌤️CFO at WACUL (@tkmtyy) 2019年4月3日
DeNAの南場さんがおっしゃった「まず仕事に没頭しろ」。たしかにその通りです。
DeNAは優秀な人材、強固なビジネスモデル、しっかりとした教育制度と人事評価制度、渋谷ヒカリエという最高の立地とキレイなオフィスがそろっていますし、仕事が辛くても頑張って乗り越えていくことで、その経験が自分の血となり肉となっていくことでしょう。
(私も新卒の時にDeNAみたいな会社に入りたかったなぁ……)
「ネットでよく『逃げたかったら逃げてもいい』と言う人がいるが、それを安易に実行されると困る」というツイートも結構見かけました。
この時期になると新人さん向けに「逃げてもいい」というメッセージが頻出して、なんか毎年勘違いしてる人が出てるっぽいが、アレ「レベル1で魔王と戦わなくていい」って話であって「スライムからも逃げろ」って話じゃないからな。
— ケルビン@斜壊人 (@legendkelbin) 2019年4月3日
「まずはスライム倒せよ」って、たしかにそうなんですよ。「だりぃなぁ…」と思っていた仕事を実際やってみると、ものすごい達成感を感じたり、面白さに目覚めたり、いつのまにか得意なことになっていたり……ということは多々あります。
「やっぱ向いてないな」と気付くこともありますが、行動に起こさないと気付けません。
【悲報】新年度新入社員退職
— すわこすた (@suwako_star) 2019年4月3日
4月3日で退職した新入社員がいるという報告も。こういった新入社員に対して「採用にかけた金と時間返せ!」といったコメントがついていました。
でも私、思うんですけど、逃げたいときに逃げられる奴は、他人から「逃げたいときは逃げなさい」と言われなくても逃げてると思うんですよね。
もう、こういう人たちはほっときましょう。心ここにあらずな人を引き止めたところでいい結果は生みません。「教育に金かけてから辞められるよりはいい」と思いましょう。
問題なのは「逃げたくても逃げられなかった人」
問題なのは「逃げたくても逃げられなかった人」です。私はそんな新入社員でした。
ブラック会社に入社して「石の上にも三年っていうし、すぐ逃げるのはダメよね」と思って踏ん張った結果、医者に言われたこと。
精神科1「うつ病ですね」
精神科2「双極性障害(躁うつ病)ですね」
産婦人科「ホルモンバランスがおかしい。このままだと不妊症になる」(不正出血が出て受診した)
歯科「免疫力が下がって歯茎が腫れやすくなってるから、とにかく休息を取って」
気持ちの上では「私はまだ若いし、多少無理はきく」と思っていたんですが、実際のところ心も体もガタガタになってしまいました。
結果的に健康を害してしまったので、今思えば無理してる時間がもったいなかったと思いました。DeNAのような踏ん張るほど成長できる会社で踏ん張ることは大事ですが、さっさと逃げたほうがいい会社も存在するんですよね。
というわけで今回は、私が新卒入社で入ったブラック会社で起きた出来事についてお話をしていきたいと思います。
うっかりブラック企業に新卒入社
大学生のときの就活では、受託開発を請け負うITベンチャーとその時バイトしていた上場企業のメーカーで2社内定を頂いていたんですが、何を血迷ったのかITベンチャーに入ることを決めた私。
ゆるふわ女子大生だった私は「なんかいろんなことに挑戦できそうだし〜」なんてことを思ってしまったんですよね。
あと、ITの方の社長さんがやたら交渉が上手い人で……。「この人と働きたい!」と思い、口説き落とされてしまったのでした。
面接のときと話が違う!
入社してから気付いたんですが、給与、勤務時間、仕事、すべて面接のときの説明と違いました。
給与については、面接時に「自分で給料を決めるシステム」という説明をされたんですが、入社後、給与の決まり方に関する説明は何もありませんでした。
残業はほとんどないと聞いていたんですが、明らかに残業をしないと終わらない量の仕事を与えられました。
仕事内容としては、受託開発のテレアポ、マーケット調査、企画書作成、新規営業、サイト更新、発注納品管理、サイトのUIデザイン、広告のクオリティチェック、開発ディレクション。
テレアポが取れたら、その会社に合わせた企画書と見積書を作成していくんですが、その作業がかなり重く。一社一社競合調査するだけでも相当時間が相当かかるので、退勤はいつも23時過ぎでした。
そもそも面接時に「電話1日100件かけろ」なんて聞いてません。「営業志望じゃないのにどうして?!」と憤りを感じました。なんだかんだで営業を経験できたのはよかったと思ってはいますが。
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【新卒時代の思い出話】営業は心が折れるけど、なんだかんだで役に立つ
入社早々リストラの危機
入社して最初の半年は残業代が出て、手取りで22万円はもらえていました。そんなある日、突然会議室に呼ばれて社長と会長にこんなことを言われます。
「黒字決算が続いていた我が社だが、今期は赤字だ」
「今後コストをどうしても下げなくてはいけなくなった」
「辞めるか、給料カットか、どちらか選んでくれ」
「お金のために働いているなら、うちに来ないでくれ」←!?
新卒で右も左もわからない私は突然のリストラ宣告にどうしたらいいかわかりませんでした。
民間企業で「お金のための働かないでくれ」と言われても……ねぇ……。
てか私、入社1か月目で、1000万円の受注出したんですが?? むしろ「ちょっとはリターンよこせよ!」という話です。
しかし、入社半年だと貯金もほとんどありません。生活のことを考えると「じゃあ辞めるわ!」と言えず「給料カットでいいから居させてください」と言っちゃったんですね……。
「転職先がすぐに決まらなかったら、食いっぱぐれてしまう」という不安もあって会社にしがみつくという選択をしてしまったのです。
そして提示された給与は手取り14万円、残業代なし。
月収14万円の生活
正社員なのに手取り14万円ってかなりキツいです。残業も多く、土日にも仕事をしていたので副業をする余裕なんてありません。
月収14万円の中から食費・光熱費・家賃を払わなければならないので、当然自由に使えるお金は限られます。私は、黒髪のワンレンという一番お金がかからない髪型に変え、服や靴もほとんど買わずに、持っている服をずっと着まわしているという状態でした。
夕飯は西友で300円のお弁当を買ったり、豆腐やもやしをよく食べていました。外食をするとしても富士そば、日高屋、マック。一度に数千円飛ぶ飲み会なんてなかなか行けません。
「物欲を消せば最低限の生活を営める」ということを知れたのはある意味よかったと解釈していますが……。
会社を辞めようとしたら止められた
給料14万円のまま1年間働きましたが、給料は上がりませんでしたし、ボーナスももらえませんでした。なのに、ベンツを乗り回し、会社のパソコンを一新する社長。
社長「全てのPCをwinからMacに変えてみたけど、やっぱり美しいよね」
さすがにキレそうになり、ついに私は転職を決意しました。
しかし、一時はリストラ宣告をしてきた社長が全力で退職を止めてきたのです。
「会社も軌道に乗ってきたから、辞めないでほしいんだよね」
「新しいプロジェクトを君に任せようとしていたんだ」
「給料もこれから上げようと思ってたんだ」
社長はもともと「去る者は追わない」と言っていたのに、未練がましい元彼のごとくガンガン追ってきます。
世間知らずだった私は、しぶしぶそれを飲んで居座ってしまいました…。今考えると、「さっさと辞めろよそんな会社!」と思いますね。
チームメンバーからのパワハラ
ある日、社長は「2人ペアを作ってプロジェクトを進めよう!」と言いだし、私はコネ採用で入ってきた元大手ITのデブとペアを組むことになりました。
デブはあらゆる人に対してイライラをまき散らす人で、一緒にランチに行ったときは、店員の態度が気に食わないという理由でブチ切れていましたし、取引先の人ともしょっちゅう険悪になっていました。社内でもその人に怒鳴られて泣いていた女の子がいましたね。
その人とペアになった後は本当に地獄で、ちょっとしたことで毎日怒鳴られました。
「俺はその人の仕事ぶりを見るだけで、どんな生き方してきたかがわかる。つまりお前自身は今までの生き方を見直さないといけない」
「今は人があぶれてるの。つまりお前の代わりはいくらでもいるんだよ!」
「ググって自分なりの答えを見つけてから質問してこいよ!」
「お前は黙って言うこと聞いてればいいんだよ!」
「しゃべり方が気に食わない!もっとキレイな日本語を話せよ!」←は????
このデブは髪とヒゲが伸びっぱなしの清潔感がないデブな上、ガサツなくせに繊細という厄介なメンヘラで、「マンションの隣人の物音がうるさい」という理由でエンジニアの家に転がり込んで居候したり、たまに「彼女にフラれた」という理由で周囲に当たり散らしていました。
社内で怒鳴ってくるので、他の人にも聞こえているんですが、みんなも極力こいつと関わりたくないというのもあり、助けてくれる人はいませんでしたね。
さすがにしんどいので、社長に「毎日怒鳴られるのはつらい」と精神的苦痛を訴えたのですが、社長は「君はわかってないな。こういった経験が成長につながるんだよ」の一点張り。しかも、「新人あるあるだな~(笑)」って感じで笑われたんですよ。
勇気を振り絞って直談判してもこのありさまなのかと失望し、毎日「うまくやっていけない私がダメなんだ」「死にたい」と考えるようになっていきました。
社長からの女性差別発言
それでも、「仕事を頑張っていればいつか報われる。きっと給料も上がるし、社長も評価してくださる!」とどこかで信じていました。
そんなある日、社長から会議室に呼び出されてこんなことを言われました。
社長「君に足りてないもの、見つけちゃったわ。女らしさ、というかエレガントさが足りてない。うちの会社、大手企業との取引が多いから、もっとそこを強化してくれないと接待に連れていけなくなっちゃうんだよね。今のままだと素敵な30代になれないと思うから、自分ブランディング、もっと頑張ってみて!」
社長を尊敬していただけに、自分にとってはキツい一言でした。仕事をどんなに頑張っていても、接待要員の女になれない限り評価されないのかと。(そもそも可愛い服もコスメも買うお金ないんですけど……)
それから事あるごとに社長に会議室に呼び出されるようになりました。
社長「今日の書類の渡し方、あんまりエレガントじゃなかったな~。自分ブランディング、頑張るって言ったよね?」
もうやだ、しんどすぎる。死にたい。
鬱で休職へ
給料カットからのヤメハラ、パワハラ、セクハラ。あらゆるハラスメントを受けた私は精神科でうつ病の診断書を貰い、社長に渡しました。
社長は「じゃあ、自宅作業にする?」と提案(まだ働かせる気なのか……?)。
結局、無断欠勤して「これ以上なんかしたら訴えます」とメール。その後、傷病手当をもらいながら休職生活を過ごした後に解雇になりました。「退職理由は自己都合にしてほしい」と言われて、もう争う気力もなかったのでそれを飲みました。
私が辞める頃には同期も、私の後に入社した人も全員いなくなっていました。みんなしんどさを抱えて仕事をしていたのです。
「なんかおかしいな?」と思ったら友人かプロにSOSを
最初はキラキラしていたけど闇に堕ちる新卒の典型的な例ですね。この時代があるからこそ、今、好きな仕事で稼げて、定時上がりで帰れることにかなり喜びを感じています。
ブラック会社の経験はある意味人生の修行だったのかもしれません。過ぎてしまったことですし、「あれはあれで学びになった」と解釈するしかないです。
ただし、鬱になるくらいなら、もっと早く転職の決断をしてもよかったな、と思います。病むと判断能力落ちまくって、駅のホームに立つたびに「電車に飛び込んじゃおうかな〜」とかガチで考えてしまうんですよね。精神科に通っても、薬漬けにされるだけで結局自力で立ち上がるしかないのがつらい……。
説明会や面接でどんなに良い説明を受けていたとしても、入社してからじゃないと、その会社のことはわかりません。自分と合わないとこが判明するかもしれません。
私の場合は、小さなITベンチャー企業でしたが、大企業でも同じようなことは起こると聞きます。「どうしても耐えられなくなったらどうするか」という想定はしておいたほうがいいと思いました。
社内は閉ざされた空間なので、社外の人と情報交換をしていたほうが、自社の状況について冷静に判断することができます。「うちの会社、おかしくないかな?」と思ったら、友達やプロの方に話を聞いてみましょう。
友達と会って「転職したい!」と伝えていれば、「じゃあ、うち来る?」てな感じで、リファラル採用のお誘いが来る可能性も高まります。
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